テレの日記

ボクの日記です。お母さんの記録もしています。

売れた売れたとんぼ玉が売れた

今日はお母さん、日本料理屋さんのお仕事でお顔合わせの席の

お部屋の担当を任されました。

 

なんだか両家共にやたら緊張してる様子で、イマイチギクシャクした

雰囲気でした。

 

それでも少しお酒を飲んだりして、ちょっと場が和んできた頃、

お母さんはなんとなく思いました。

 

…記念にどうぞって勧めたら、とんぼ玉の根付、買ってくれるかも…

 

様子を見ると、どうやら主催の若い男性がいちばん話を聞いてくれそうです。

女性の方は微妙に気が強そう…お母さん、この主催の若い男性に勧める事に

しました。

 

男性が周囲の話にうんうんと耳を傾けている時、お母さんは人数分(6名)の

とんぼ玉をお盆に乗せて持って来て、お顔合わせの記念にいかがですか、

と話しかけました。

 

手作りのとんぼ玉です、一つ500円ですけどみなさん記念に買ってかれますが、

いかがですか、と。(ちなみに、みなさん記念に買っていきません)

 

男性はえっと思ったようですが、周りがなんだなんだと注目し始め、お母さんが

ニコニコお盆を差し出すと、男性は「じゃあ、ください」と。

 

女性が男性に「えっ!本当に!?」と驚くと、「僕からみなさんに」と男性が言いました。

おっ、顔合わせでいいとこ見せたいのかなっとお母さんは思いつつ、とんぼ玉6個を

いそいそと包んで渡しました。

 

お母さんは「お料理とは別なので、3000円頂戴します」と言うと男性はお財布を出して

お金を出そう…と思ったら、ない!多分、3000円もない!!男性の目が泳いでいます。

 

お母さんは、えっウソでしょ…アンタお金持たずにお顔合わせで料理屋に来てるの?

しかもここ、まぁまぁレベルの高い日本料理屋なんだけど!?アンタそもそもここの

支払いどーすんの!?アンタ、主催でしょ!?

 

…と、お母さんが思っていると男性は「あのー…後でも大丈夫ですか…?」と小声で

言ってきました。お母さんは「大丈夫ですよ」と言って、とりあえず下がりました。

 

下がった後、お母さんは「大丈夫かしら…本当に買ってくれるのかしら…後でって

あの子、さっと席でも外して銀行にでも行く気かしら…それよりどうやってここの

お代払うのかしら…カード?…にしても、普通現金も持ってくるわよね、こういう

席なんだから。。すっからかんで来る?フツー…」

 

…とブツブツお母さんが言ってると、次のお料理が出来上がったので料理を

運びました。

 

するとさっきの男性がお母さんに「とんぼ玉代、細かくなっても良いですか?」

と言ってきたのでお母さんはもちろんです、構いませんと言うと、3000円を

2000円と500円玉と100円玉5個で支払いました。

 

…うわ…かき集めたのか、この子…3000円を。。。

 

とお母さんは売れたのにもかかわらず、ちょっと引きました。

なんだか子供に売りつけた気分になり、イマイチ喜べないお母さんでした。

 

普通、このお店に来るのはある程度お金があるお客さんがほとんどで、

特にお顔合わせや結納となるとみなさん余裕を持ってるので、まさか一文無しが

来るとは思わず、むしろ不意打ちを喰らったお母さんでした。

 

それにしても、ここの支払いはどうするのかしらと心配していると、部屋から男性の

お父様が出てきてお母さんに「支払いしたいので、いくらでしょうか」と。

 

なるほど!!

アイツ、親父に自分のお顔合わせの支払いさせるんだったのか!!

うわー、最初っから自分は1円も出すつもりなかったのか!

だからお財布はすっからかんだったのか!!

 

…そういえば、部屋に入ってきた時から上座下座も分からず、自分が上座に座って

たっけ。。その後飲み物の注文も仕切れず、お茶とビールというおかしな組み合わせ

で乾杯だった。。。

 

お母さんは、とんでもないアホに売ってしまった…と少し後悔しましたが、商売とは

こういうもので必ずしも自分と合致した人に売れるものでもないと学習しました。

…勧められたから買っただけで、別にいいと思ったわけでもないのかな…とお母さんは

思いました。

 

でもね、お母さん。

お母さんは職人肌なので、自分の芸術性を重視してますから自分の作品の価値を

理解しない人に売られるのが我慢出来ないのかもしれませんが、お母さんの作品を

買おうと決めたのはこのお客さんですよ。

 

彼がアホでも、勧められたからでも、お財布のお金をかき集めて買ってくれたんですよ。

お母さん、感謝ですよ。勧めなかったら、今日3000円の売り上げはなかったんですよ。

 

お母さん、また在庫作らなきゃですね!

頑張ってくださいね、お母さん!

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