転職漂流記〜株式会社にゃんメンソーレ編〜前編
沖縄にやって来たお母さん。
見るもの聞くもの、本土とは大違いでした。
入ったアパートは、最初から玄関のチェーンが壊れていて、
不動産屋に文句を言ったら、「チェーンは壊れていても、普通の鍵は問題ないですが
気になりますか」と逆に不思議がられました。
気になるに決まってるでしょうとお母さんが文句を言うと、1週間後に不動産屋に
頼まれた工務店のおじさんが子連れでやって来ました。
玄関のチェーンという極めて重要な箇所の修理に1週間も手配がかかる上に、
やって来た工務店のおじさんは子連れ。手伝いをしてたその子は明らかに小学生で、
夏休みなど長期学校休暇ではない普通の平日の真昼間でした。
おいおい、オマエは学校行かなくていいのか、とツッコミを入れたいのをお母さんは
ぐっと我慢して、しばらくするとようやくチェーンは直りました。
沖縄に来たばっかりの初っ端から、同じ日本でもここまでの文化の違いと、本土では普通の
子供は学校に行くという常識が違うこと(歴史で習うような、学校に行けず家の手伝いをする
子供がいる事実)を21世紀の今、目の当たりにし、お母さんは衝撃を受けました。
そんな中、いろいろあるとはいえ、沖縄は食べ物がものすごく美味しい事に気付きました。
特にお豆腐はどのスーパーに行っても必ずまだ温かいゆし豆腐というものがあり、
ジーマミー豆腐というピーナッツと葛で固めた豆腐は絶品でした。
不動産と食べ物 だけはとにかく安く、いろんな食材があって料理好きのお母さんには
天国でした。1ヶ月も過ぎた頃そろそろ働き口を探せねばといろいろ探したお母さんは、
取り敢えずバイトでもしようと思いました。
そこで、沖縄ではいちばん大きな会社の株式会社にゃんメンソーレの求人で、本社食堂での
ホール兼調理補助で働く事になりました。
…株式会社にゃんメンソーレ後編に続く。。。