相棒さんのカトチャンペ〜後編〜
せっかくサービスさん専用のヘルプデスク開設に頑張ってきたお母さん(とカトチャンペ)。
何でだよ!?とお母さんは憤慨しましたが、よくよく考えたら、サービスさん達の問い合わせ窓口は、コールセンターが既にあり、敢えてサービスさん達用にヘルプデスクを立ち上げるまでもない。
そんな当たり前な事に、直前になって今更気付いたのか、はたまた何かの圧力がかかったのか…
でもまぁ、こちらのチーム立ち上げの皆様は、ある意味想定内だったようです。あっそう、じゃーこっちの製品のサポートやるから別にいい…という感じであっさり、「3月からちょっと仕事内容変わるから」とお母さん達に伝えてどんどん次に進みます。
でも、新製品である事には変わりないので、サービスさん達向けの教育資料作りなどはしつつ、それが終わった後の業務の準備もしつつ…結局忙しい事に変わりはありません。
多分、メーカーってこういうものなのでしょう。
製品開発途中の時点でポシャるのはしょっちゅう。開発が出来ても発売に至らないのもしょっちゅう。「いいな!」と思って始めたけどビジネスとして成り立つには至らないのは、人間は「夢」を見る生き物だからでしょうか。
とにかくお母さんは、そんなもんでしょと思いながら普通に受け入れましたが、カトチャンペは違いました…
烈火のごとく怒りまくり、、、、
私は今までどれだけ会社に振り回されあちこち飛ばされその都度使えないと言われどれだけ苦労してると思っているのか。その度にいろいろ勉強し直し努力したと思っているのか。いつもこんなに頑張ってるのに仕事は回ってこないし常にいろんな上司が合わない。いつもいつもいつも私が悪い私が悪いと言われ誰も私の上司を責めない。私はいつもルールを守り言われた通りにし常にいろいろな事をきちんとしているのに周りはそれはもう無意味だと言う。今回も突然ヘルプデスクが立ち上がるからそっちに行けと言われて素直に行った。断ればクビと言われた。だから私は一所懸命頑張っているのにそのヘルプデスクが開設しないとはどういう事なのか。また私は飛ばされるのか。
…とキレて暴れまくり、お母さんは呆気にとられて何も出来ず、お母さんの別部署の先輩の方がなだめに行き、やっとカトチャンペは落ち着いたのでした。
…3日後、カトチャンペはとうとうクビになりました。
以前から、カトチャンペの問題行動は話題に上がっており、だから異動も多かったようです。
実は、ヘルプデスクが開設中止になる直前からカトチャンペの退任は決まっていたそうです。
では、なぜカトチャンペはこのチームに配属されたのか?それは、社長がカトチャンペにもう一度チャンスを与えたい、の気持ちでした。ヘルプデスク立ち上げの時に、お母さんはメンバーで決まっていたけれど、あと一人は決まっていなかったそうです。
そこで社長は、もしかしたらうまくいくかもしれない。だからウチのカトチャンペをもう一度使ってもらえませんかと、取引先に頼んだようです。
社長の人柄と実績を信用している取引先企業は、それではもう一度だけチャンスをと言ったのに、カトチャンペにはそれを活かす能力はありませんでした。