切手一枚に想いを込めて
お母さん、金曜日の朝、どうしても出さないといけない封筒があって
戸塚駅のファミリーマートで82円切手を一枚買いました。
すぐに貼って出しますし、1枚だけですからそのまま貰うことにしました。
ファミリーマートは朝の時間ということもあり、お客さんも慌ただしいし、
店員さんもあわあわの大混乱でした。
こんな慌ただしい中で、切手1枚買うだけってヒンシュクかなーと思いながら
レジに並ぶと、順番が回ってきたのは明らかにバイトを始めたばかりの若い
男の子の店員さんでした。
緊張した顔でお母さんを見て、「いらっしゃいませ!!」と言い、お母さんが
「82円切手1枚下さい」というと、「はいっ」と良い返事をしてレジの奥に
取りに行き「82円です!」と礼儀正しく言いました。
お母さんが102円出すと店員さんは「102円お預かりします!」と言って、
切手を袋に入れようとしたので、お母さんは「そのままでいいですよ」と
言いました。
そしたら店員さん、男の子の大きめの手で小さい小さい切手をまるで名刺でも
持つかのように両手で持って、お母さんに向けて丁寧に差し出しました。
この切手1枚売るだけなのに、なんて一所懸命なんだろうと思い、お母さんは
心から「ありがとう」と言いました。
お釣りを渡してくれて、「ありがとうございました!行ってらっしゃいませ!!」
と丁寧に一礼してくれました。
店員さんは緊張した感じで一度も笑顔にはなりませんでしたが、ただヘラヘラ笑ってる
だけの店員さんより100倍良い応対でした。きっともう少し慣れたら、ちょっと笑顔の
余裕が出るかな?
あの店員さんが両手で丁寧に渡してくれた82円切手で届くあの郵便は、きっときっと
良い知らせをくれるかなとお母さんは思いました。